今月の映画秘宝

今月発売の映画秘宝』6月号、(表紙は先日の大阪アジアン映画祭でも上映された『チョコレートファイター』)P.103「新刊レビュー」にて本誌2号をご紹介いただいております。
ありがとうございます! 有難いことに同じ頁に並べていただいた書籍は『童貞の教室』(著:松江哲明)・『イエスタデイ・ネヴァー・ノウズ』(著:根本敬)・『レイ・ハリーハウゼン大全』(新谷尚之さんは素晴らしいハリーハウゼン(の映画に出てくる怪物)の物真似ができます)・そして『ポール・ナッシー ヨーロッパ悪趣味映画の世界』(編・著:伊藤美和)! 光栄です。謙遜です。



先日は吉祥寺バウスシアターでの爆音ダリオ・アルジェントナイトへ。どんなに美女だろうが、どんなにタイプの女だろうが、どんなに絶叫しようが、どんな凄惨な死に様が繰り広げられようが、決して画面からこちらへ手は届かないし、こちらからも触れようとは思わない……、そんな究極どうでもいい他人事ばかりつづくショーウィンドウのような映画。なおかつエキゾチック。映画内で殺される人を、全員無視して勝手に去ってしまったかのような……。
誰もが助け合い、互いを意識しあい、社会へ何かを呼びかけ、人生の機微にふれたりもする映画たち……、そんななかこんな皆ちゃんと向き合っていない、声をかけあっていない映画だって表現できる、この世界は素晴らしい。限りなく人間感情希薄でドラマがあるか微妙なのにトラウマだのサイコだのって……。間違いなくこの希薄さには真実がある。根拠はないが衝撃はある。
トーク根本敬の「水木(しげる)先生にとってはサスペンスも『お化け』」「(『トラウマ 鮮血の叫び』の)濃厚なベッドシーンがはじまるかと思いきや……って感じが粋だ」発言などいろいろかなり気になる。それらが掘り下げられないほどほど感もいい気持ち。


25日『サスペリア・テルザ』初日、「イーストウッドに失礼だ」とか言われようが絶対はしごします。