久々の更新

久々の更新ですが……。

レンタルも再開しているみたいな、第2号でお世話になった
ふや町映画タウン

しかしこの更新は、少し不安になります……。急げ!
http://dejan.dyndns.tv/f_eigatown/news/view.php?news_item_id=126

ふや町デビューを考えてはる人は

急がはったほうがいいですよ!

・・・ではなくって、

急げ!!

彼女について知ることのすべて

井土紀州監督最新作『彼女について知ることのすべて』を試写で見た。
三浦誠巳による笹峯愛との情事の回想がベースになっている。おそらくキーになるのは、笹峯が昔の男、朴と再会して寝てしまうくだり。朴は笹峯を追わず、もう捨てられたと諦めていそうなのに、笹峯は戻ってきてしまう。笹峯は何を思ったか。「そのとき彼女が寝たと知らなかった私は、事態を楽観視していたかもしれません」と三浦は振り返る。朴の部屋に戻る笹峯の顔、仕草は狂気染みたものとして演出されていて、その前後の彼女の行動と結びつかず不可解だ。朴が最初に三浦を脅したとき告げる、笹峯の裏切りははたして本当か、嘘か。
ふたりの間に生じたねじれは、回想を終えた後まで続くが、三浦のナレーションと笹峯の行動の間にはズレが生じている。2つのシーンによってブレる笹峯の像は、三浦の主観で語られることでますます信用ならない。そもそも三浦は女心がまるで読めず、笹峯に限らず、彼の周囲にいる女性は、みんな彼の視野の外で行動しているのだった。

『ジャックの友人』『かつて明日が』

3月23日(金)に中山洋孝『省エネ生活党宣言』中島信太郎監督『ジャックの友人』渡邉寿岳監督『かつて明日が』の上映会をおこないます。
定員40名、一回だけの上映と、小さな規模での企画ではございますが、もしご都合よろしければ、お越しいただけましたら幸いです。
以下、会場、上映作品の詳細になります。

3月23日(金)
開場:19時
開演:19時30分
会場:光塾
http://hikarijuku.com/
東京都渋谷区渋谷3−27−15 光和ビルB1
料金:600円
定員:40人
予約を受け付けております。中山(nkh_irotaka@yahoo.co.jp)まで名前、連絡先をご記入のうえメール下さい。
定員に達した場合、当日券はございません。何卒ご了承下さい。



上映作品
19:30 省エネ生活党宣言(15分/中山洋孝)
19:45 ジャックの友人(24分/中島信太郎)
20:10 かつて明日が(39分/渡邉寿岳)
※上映後、トークを予定。


省エネ生活党宣言
2010年/15分
上映素材:miniDV
監督・編集:中山洋孝
撮影:鈴木基也、津野友彰、中山洋孝
録音:進士靖悦
出演:金子晃子、吉岡美央、鈴木基也、内山丈史、津野友彰
金子は吉岡の、血のつながらない弟である内山から告白される。失恋した内山の恨み言を聞かされた鈴木は、友人の津野に一方的に愚痴をこぼす。返す刀で切られる覚悟もないまま……。
プロフィール:1986年、東京都出身。2008年より映画同人誌「DVU」を編集。11年に第3号を刊行。 http://d.hatena.ne.jp/dvu/


ジャックの友人
2012年/24分
上映素材:miniDV
監督・脚本・編集:中島信太郎
撮影・照明:阿部洋地
録音:木村拓朗
出演:中山祐康、藤村容子、西田一貴、橋爪慧
正午過ぎ、携帯電話が鳴る。今では顔さへ思い出すことのできない友人が死んだらしい。蘇った友人たちとの幸福は主人公の生に何をもたらしたか。
プロフィール:1986年生まれ。宮崎県出身。


かつて明日が
2008年/39分
監督:渡邉寿岳
都市の暗がりと生活の記録。
部屋の隅に収納されたいくつかのパイプ椅子。非常階段の消火栓。船着場。静止画のごとく映し出される静謐な空間にはなぜか人の気配が満ちている。その空間に人が入ってくるのだろうか、はたまたすでに通り過ぎてしまったのだろうか。
プロフィール:1985年生、福島県福島市出身。東京都在住。

『食卓の肖像』東京上映会

映画芸術ベストテン(注:434号)にて井川耕一郎さんが選出した金子サトシ監督ドキュメンタリー『食卓の肖像』が、 キネマ旬報文化映画ベストテンの10位に選ばれました。今度、その作品の上映会があります。

カネミ油症ドキュメンタリー『食卓の肖像』東京上映会のお知らせ」

『食卓の肖像』(DV作品、103分)
取材・構成:金子サトシ
撮影:内野敏郎 金子サトシ 福本淳
スーパーバイザー:土屋豊 OurPlanet-TV

1968年に発覚した戦後最大の食品公害、カネミ油症。40年以上たった現在もその影響下に生きる被害者の人たちを見つめたドキュメンタリー。結婚、出産など、それぞれの人生から今も続く被害の実態が浮かび上がってくる。

上映日時:
2月19日(日) 午後2時上映開始
3月24日(土) 午後6時上映開始

上映会場:
「かふぇ&ほーる with遊」(荻窪駅南口徒歩8分)
(いずれの日も、定員30名、予約制)
* 定員30名の会場のため、事前にご予約ください。
人数が30名に達しなかった場合は当日、先着順で入れます。

会場へのアクセスは以下をご参照ください。
http://cafewithyou.web.fc2.com/map.html

「かふぇ&ほーる with遊」 杉並区荻窪3-46-13(TEL.03-6661-2336)
JR荻窪駅南口を出て左にまっすぐ行くと 青梅街道にぶつかります。そのまま直進し、「すき家」 の先、歩道橋の手前が 『with遊』 です。(駅から徒歩8分)阿佐ヶ谷駅よりバスをご利用の場合は、荻窪方面バス停 「天沼」 停留所前です。

料金:一般1000円  学生・子ども500円

問い合わせ:
金子サトシ n3946062@yacht.ocn.ne.jp

カネミ油症患者のひとりの裸体を映した一枚の写真、このエピソードには引き込まれます。彼女たちの写真をめぐる話が、ラスト、飛行機の写真撮影が趣味の男性が登場することに、偶然つながっているようにも思えてくる。この奇妙な感じは井川監督の『糸の切れた凧』に近いと思います。

赤坂太輔さんのツイート

赤坂太輔さんの2月4日のツイートを引用します。
TRASH-UPでの原稿にて外してしまった箇所と少し関係あると思いましたので……。

季刊 TRASH-UP!! vol.11

季刊 TRASH-UP!! vol.11

↑「赤坂太輔が語る『果てなき路』と映画の2011年」掲載。

@daiakasaka

1980年6月月刊イメージフォーラム創刊準備号の長谷川和彦川喜多和子対談で『旅芸人の記録』のカメラに語る手法を「あれはブレヒトだよね」という箇所がある。当時ヨーロッパや日本では廃れた技法だったが実は軍事政権前後の映像だったことを考慮する必要があったはずなのだ。
「廃れた」と書いたカメラに語る手法を使ってたのはオリヴェイラでやはりギリシャ同様に独裁制下の映像からの離脱を意図していた・・・アンゲロプロスと違ってカトリック的だし日本上映は十年以上後になるが
ポルトガルや崩壊直後のソ連の映画が孕んでいたのは独裁政権の操作した映像からの離脱なのだが問題は我々が「操作された」フツーの映像を見られなかったこと。日本やフランスの批評は自国の操作されっぷりに安住しているので笑ってしまう
ソ連パラジャーノフ強制収容所に送られたりブラジル軍事政権下でコフィン・ジョーが逮捕拷問されたとき前者は芸術的に後者はトラッシュムービー的に「自分の映画はナンセンスだ」と主張したが政府のほうは「お前らの映画は反政府的な意味があるんだろ」と信じず。結局「意味は権力が作る」ってこと
ここから映像を禁止しようとする人々の言葉はすべて権力の側にあることがわかる。しかし芸術であれトラッシュであれナンセンスを主張するためにはより高度な映像の教育が普及していなければ通用しないってこともある。
ある映像を「なんだかわからない」というと権力が「わかんないのか?それはこういう意味だ!」と説明したり禁止したりしてしまうから
もちろん「難解」「よくわからない映画」というのも権力側の言葉で、実はその映像を他人に見せないために使われてきた歴史があるw

TRASH-UP!!にて

2月4日発売、
TRASH-UP!! vol.11」
http://www.trash-up.com/news/20120128002324.html 
にて赤坂太輔さんの聞き書き原稿
「赤坂太輔が語る『果てなき路』と映画の2011年」
構成やりました。
発売中「モンテ・ヘルマン語る 悪魔を憐れむ詩」(これもカプリッチか……)と併せてぜひ!

モンテ・ヘルマン語る---悪魔を憐れむ詩

モンテ・ヘルマン語る---悪魔を憐れむ詩

季刊 TRASH-UP!! vol.11

季刊 TRASH-UP!! vol.11